2023 年 29 巻 p. 401-406
令和2年7月豪雨による球磨川水害では,水位が堤防高を大きく超過したことで広範な流下型氾濫が発生し,多数の建物流失被害とそれに伴う人的被害も発生した.このような被害を防ぐには建物流失に関わる水理条件を明らかにする必要がある.同水害に対して,河川流・氾濫流一体解析を実施し,解析による水理量計算値と建物被災に関わる現地調査結果を比較することで,建物流失について分析した.流下型氾濫の球磨川水害において,建物の流失・浸水地点の水理量には有意な差が認められ,流速や水深,流体力,モーメント指標から建物流失リスクの評価が可能であることが示された.さらに,水理量と流失率の関係を整理したところ,既往検討による一義的な流失判定には困難があり,流失率評価が適当であることが示された.