2024 年 30 巻 p. 29-34
宮中取水ダムでは,既設魚道(全面越流タイプ)において顕著な水面変動が発生したため,アイスハーバー型へ改築1)したが,水面変動は抑制されなかった.このためカゴ詰め玉石工の暫定設置を行い,水面変動を抑制させている2),3).しかし,中規模出水後の土砂堆積に伴う復旧作業のメンテナンスや経年劣化が課題となっている.本研究は,水面変動抑制効果を有し,かつメンテナンスが容易となる代替案の設定を行うことを目的とした.
本検討では,縮尺1/8の模型を用いた水理模型実験により,アイスハーバー型魚道の水面変動特性を把握した上で対策案を設定し,水面変動抑制効果を検証した.具体的には,水面変動が縦波と横波で構成すること,下流に伝搬するに従い横波が卓越すること,最下流プールで水面変動幅が約56cmとなることを明らかにした.また,この特性を踏まえ,縦波を抑制する対策2タイプ,横波を抑制する対策2タイプを設定し,最下流プールで水面変動幅が約3~11cmまで低減する効果が得られることを明らかにした.