2024 年 30 巻 p. 35-40
外来沈水植物は,水域生態系や人間活動に様々な負の影響を与え得ることが報告されており,河川管理においては外来沈水植物の繁茂抑制および在来沈水植物の保全に努めることが肝要である.そのためには,流域スケールにおいて外来・在来沈水植物の生物量を正確に定量する必要がある.本研究では,環境DNA分析とUAV(Unmanned Aerial Vehicle)を併用し,河川に生育するオオカナダモおよびコカナダモ(外来種),クロモ(在来種)の生物量定量手法を開発することを目的とした.一級河川江の川の土師ダム下流を対象とし,1)各種の環境DNA濃度と踏査による被度との関係を検討した.続いて,2)UAVによる3種の合計群落面積に各種の環境DNA濃度比を乗じることで各種の群落面積を算出し,踏査による各種の被度との相関が1)の結果と比較し増加・減少したか検討した.結果として,2)で算出した各種の群落面積と踏査による被度との関係については,全ての種において1)の環境DNA濃度と踏査による被度との関係よりも強い相関があり,複数種の沈水植物生物量をより正確に反映していることが示された.