2024 年 30 巻 p. 305-310
十勝川水系音更川ではH28(2016)年8月洪水等の大規模出水時に堤防流出や大規模な河岸侵食が発生した.一方,本川下流に位置し人工的に直線化された統内捷水路は多くの出水を経験してきたが,交互砂州を伴う直線河道を維持し続けている.本研究ではこれらの現象に着目し数値実験により両河川の河道形状の変化について考察した.水深に対する比高の比(比高/水深)が統内捷水路で約2.0,音更川で約1.0となる流量を一定で与えた結果,前者では交互砂州の形成後も蛇行流路の振幅は小さくなる一方,後者では蛇行流路の振幅が拡大し河岸侵食が発生した.また,統内捷水路において同じ流量規模時に比高/水深が1.0となるように比高を変化させた場合,音更川同様の傾向を確認した.これより,高水敷を掘削し比高を下げると流下能力は確保されるが,河岸侵食が発生して新たな被災が生まれる可能性があることを指摘した.