2024 年 30 巻 p. 375-380
本研究は,実河川を対象にアイスジャムによる水深上昇を事前の情報のみで推定する手法の検討を行った.本手法の入力値は,アイスジャム発生前の流量Q,水位WL,横断測量データと,アイスジャム発生時のフルード数Fr,氷塊の空隙λの5つである.実河川のアイスジャムは,2018年3月と2020年3月に北海道で発生した12事例のアイスジャムとした.検討の結果,計算水深と観測水深の平均絶対誤差は0.02 mの精度であった.さらに,アイスジャムの流下方向の長さが水深上昇へ与える影響を明らかにするために,アイスジャム立体模型を用いて水理実験を実施した.実験の結果,立体模型の流下方向の奥行きが長くなると水深はより上昇し,立体模型内を流れる浸潤線の流下方向の長さが長いほど水深は上昇した.