2024 年 30 巻 p. 381-386
従来公共事業の施策の種類の選択や,どこまでの大きさの外力を対象とするかに関しては費用便益比(B/C)や純便益(B-C)を中心としてそれらが比較評価されてきた.しかし事業計画ごとのB/CやB-Cに対して費用対効果(便益)に基づいてその事業の合理性を主張できるかという点に関しては理論的数学的側面において十分な議論の深化はみられてはいない.地球温暖化に伴う気候変動に起因する降雨災害の激甚化,頻発化の下での河川整備計画の立案に対して,本研究は純便益(B-C)と費用便益比(B/C)の関係性を明らかにし,純便益(B-C)最大化を新しい計画指標として採用するにあたっての数学的枠組みを定理の形で提案するものである.