河川技術論文集
Online ISSN : 2436-6714
氾濫ブロック毎の想定破堤点に着目した氾濫解析結果の分析
原田 守啓小泉 公一
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2024 年 30 巻 p. 405-410

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抄録

本研究では,地域における防災減災及び立地適正化計画等の基礎資料として効果的に浸水リスクを示す観点から,洪水浸水想定区域図作成マニュアル(第4版)に基づいて全国で実施された洪水氾濫浸水解析の個別ケースの計算結果をデータ資産として活用した分析手法を提案する.氾濫ブロックへの着目,氾濫ブロック区間の堤防における代表破堤点の抽出,浸水リスクランクの導入により,既存の氾濫解析結果を活用したマップ作成を試行した.氾濫ブロック毎に整理されたマップは「その区間で堤防が決壊した場合に何が起こるか」を地区毎に示すものであり,従来の浸水想定区域図よりも破堤点と浸水被害の関係性を理解しやすい.更に,浸水リスクランク表示は最大浸水深よりも望ましい避難行動やハード面での対応を議論する材料となることを示し,居住誘導区域の立地特性によって浸水リスクや望ましい対応が異なることを示すことができた.しかしながら,代表破堤点の抽出方法については課題が残された.

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© 2024 土木学会
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