河川技術論文集
Online ISSN : 2436-6714
地理情報に基づく鉄道路線の降雨被害危険度評価に関する研究
國立 翔愛椿 涼太
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2024 年 30 巻 p. 417-422

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抄録

洪水浸水や土砂災害などによる鉄道路線被害件数の増加傾向が2006年度以降で確認でき,その増加は気候変動の影響によるものと考えられ,今後の増加も見込まれる.本研究では,国土の地形と鉄道路線の配置および鉄道被害箇所について,標高,河川までの距離,路線勾配,近接する河川勾配の4つの地理特性指標を用いて整理した.全国の路線を対象に4指標と被害実績の関係を分析し,被害が起きやすい地理条件を整理した.その結果,被害件数の約4分の1が標高10 m以下の低平地に集中していることが確認された.一方,路線延長当たりの被害件数でみれば,標高250 m以上の山間地,近接する河川勾配が8~12%以上の急勾配の区間,河川までの距離が50 m以下と河川と近い区間で被害発生が多いことが確認された.鉄道路線は低平地・山間地ともに水害リスクの高い場所に多く配置されており,沿線へ人口・資産が集まることが,社会の水害リスクの増加につながる.

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© 2024 土木学会
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