2024 年 30 巻 p. 435-440
河川工事では出水時に,人の避難には6時間程度,重機や建設資材の退避,養生には12~24時間程度先の出水の有無を把握する必要がある.著者らは解析雨量(観測値)の空間分布を入力情報としてニューラルネットワークにより24時間先の水位を予測する手法の検討を進めている.本論では,7地点を対象に,実測水位が出水した時刻・水位と予測水位が出水した時刻・水位との差異をもとに出水予測の精度を評価した.実際の工事で想定される許容時刻差を踏まえて,降雨予報の誤差の影響を除いた予測の適中率を分析した結果,6時間先は43~68%,24時間先は48~85%となった.予測精度に影響を及ぼす要因を考察したところ,出水をもたらす降雨が6時間連続し,6時間の累積雨量値とその間の1時間雨量の最大値が大きいこと,出水後も水位上昇が続くこと,降雨の空間分布が一様に近いと出水予測の精度が高くなる傾向があることを確認した.