2024 年 30 巻 p. 483-488
近年,線状降水帯を伴う水害被害が散見される.線状降水帯は,流域スケールに集中豪雨をもたらすことで洪水・土砂災害を引き起こすが,台風や前線などの大規模な気象要因によって誘発される気象現象であるため,災害要因として特定することは困難である.本研究は,既往研究で提案された線状降水帯の客観的な定義によって線状降水帯を抽出し経年的および地理的な特徴を示した上で,過去に起きた災害における関係性を示した.その結果,過去22年間に気象庁が定めた気象災害の発生期間490日における6割の日付で線状降水帯が発生していたこと,日本全国で線状降水帯を伴う災害が発生していること,年間水害被害額のうち最大で9割が線状降水帯を伴う災害事例によるものであることがわかった.