2024 年 30 巻 p. 549-554
頻発化,激甚化する水災害に備えるため,河川管理者等の防災関係者からは河川流域の住民,企業等に対して,河川のリアルな状況から浸水の予測,避難場所等に至る様々な情報が発せられているにもかかわらず,多数の人的被害は後を絶たない.本研究は,水災害リスク情報が自らの命を守る行動に至ること(水害を我がことと考え,水害に備えて行動すること)により一人でも多くの命を救うため,医療心理学 の観点から人間行動の特性を踏まえた新たな水災害リスクコミュニケーションのあり方を提案するものである.情報受信者を医療心理学における行動変容ステージ(無関心期→関心期→準備期→実行期→維持期)モデルに水災害に対する理解度,認識度の違いを反映させて「見える化」し,実際の避難事例への適用性を確認した.多様な情報受信者の「見える化」によって,目的,水災害リスク情報の内容及び構成が明確化され,より効果の高い水災害リスクコミュニケーションの展開に寄与することが期待される.