2024 年 30 巻 p. 567-572
著者らはこれまで,河川堤防でのミュー粒子探査の適応可能性および有効性を明らかにし,さらに従来の解析手法の課題を克服した新たな解析手法を提案した.本研究では探査の効率向上に向けて,検出器を設置する観測間隔と観測時間が解析結果に及ぼす影響を分析した.その結果,観測間隔を解析格子の大きさの1/5スケールにすることで空洞を再現できること,ある密度基準値以下の箇所特定を探査の目的にする場合,観測間隔を広げても問題ないことを明らかにした.また,観測時間を長く取るほど密度分布の再現性が高まるが,鉛直深さによって検出可能な空洞の大きさに限界があることが示唆された.