2024 年 30 巻 p. 573-578
河川流量観測の非接触型手法では風による推定精度の低下が懸念されている.既往研究では非接触型手法により計測した表面流速とADCPで計測した水面近傍流速の差から吹送流速を評価しているが,計測された表面流速には風波の波速やそれに起因する誤差が含まれている可能性がある.本研究では,STIVによる表面流計測と風向・風速観測の結果から,風作用時における波紋の挙動とそれらがSTIVの表面流計測に及ぼす影響を調べた.その結果,順風や逆風時には風波に起因する波動成分が顕著に現れ,その影響を受けて表面流速にばらつきや異常値が生じやすくなることを示した.また,波数-周波数スペクトルのピークと分散関係式との対応からSTIの勾配を決定することで,ばらつきが小さく異常値のない流速分布が得られた.吹送流速の評価にはこのようにして風波の影響を除いた表面流速を用いる必要がある.