2024 年 30 巻 p. 95-100
五十嵐川では平成16年7月新潟・福島豪雨によって,内岸側の堤防が決壊し,平成23年7月新潟・福島豪雨では内岸高水敷・低水護岸が洗掘被害を受けた.従来,河道の内岸側の被害はあまり着目されてこなかったが,近年の研究で低水路が蛇行している複断面河道では,洪水時に水位が高くなると最大流速が外岸側から内岸側へ移動し,二次流が逆転する流れが生じることが示され,このことが蛇行部内岸側の被災原因となっていることが報告されている.この知見を踏まえて五十嵐川で過去に内岸側で発生した河道被害と複断面的蛇行流れの発生との関係を調べることは,今後の河道と堤防設計を行う上で極めて重要である.
本論文では,平成16年7月新潟・福島豪雨での破堤と平成23年7月新潟・福島豪雨での内岸側高水敷の洗掘被害について,準三次元洪水流・河床変動解析を行い,複断面的蛇行流れがそれらの被災原因となり得るか考察する.