河川技術論文集
Online ISSN : 2436-6714
平成23年7月新潟・福島豪雨における五十嵐川の堤防・河道被害機構-平成16年7月新潟・福島豪雨と比較して-
佐藤 海輝後藤 岳久岡田 一平福岡 捷二
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2025 年 31 巻 p. 109-114

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抄録

五十嵐川は平成16年と平成23年に大規模な洪水が発生し,内岸堤防の破堤・内岸高水敷の洗掘・堤防侵食等の河道被害が生じた.従来は河道の内岸側の被害はあまり着目されていなかったが,複断面的蛇行流れの発生により内岸流速が増大することが明らかになっている1).これにより,水位が上昇した洪水ピーク時には蛇行部内岸側のエネルギーが高まることが考えられる.大洪水が起きやすく,洪水被害が多い五十嵐川において,被害機構を明らかにすることは,今後の河川整備の観点から極めて重要である.

本論文では平成23年7月新潟・福島豪雨を対象に準三次元洪水流・河床変動解析を行い,平成16年洪水時と流れ場・河床変動場を比較することで河川改修の効果を踏まえて被害機構を明らかにする.また,解析で得られた流速や圧力から全エネルギー水頭を算出し,その場所の持つ全エネルギー水頭と被害の規模の関係性について検討する.

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