河川技術論文集
Online ISSN : 2436-6714
礫床網状河川における護岸被害危険度評価
阪上 健内田 龍彦松尾 大地吉武 央気坂野 アイカ溝口 敦子酒井 大介
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2025 年 31 巻 p. 157-162

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抄録

安倍川では令和5年に発生した規模の小さい出水(R5洪水)により左岸17.5km付近において護岸被災が確認された.ここでは,前年に発生したピーク流量がより大きい洪水(R4洪水)では被災していない.そこで,本研究ではR4およびR5洪水の洪水流・河床変動解析を行い,R4よりも小さいピーク流量のR5洪水の危険度を予見できたのかについて検討した.初期地形に対しては,ALB地形データとLP地形データ(水みちなし)を用いた場合の比較を行い,低水路地形が計算結果に与える影響についても調べた.護岸危険度評価には,河床変動量と,河岸際での乱れエネルギー分布を用いて検討した.R5洪水では,被害箇所の上下流で長い区間左岸際に洗掘が発達し,乱れエネルギーの平方根(乱れ強度)は,被害箇所でR4洪水よりR5洪水の方が大きくなる結果が得られた.その要因としてR4からR5にかけて流路が側方に移動したこと,洪水時ピーク流量はR4洪水の方が大きいが,累積流量はR5流量の方が大きいことが考えられる.また,ALB,LP初期地形の比較からR5洪水前の水路も侵食危険度を高くしていることも明らかにした.

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© 2025 土木学会
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