2025 年 31 巻 p. 319-324
河道計画の高度化を目的として,三次元点群データ・平面二次元流況解析モデル(以下,2Dモデル)を活用するためには,三次元点群データの欠測範囲や補間方法の違いが地形の推定精度に与える影響の定量評価,及び推定地形の違いが準二次元不等流計算モデル(以下,Q2Dモデル)や2Dモデルの計算水位に与える影響評価が重要であると考え,阿武隈川を対象として検証を実施した.
河道において三次元点群データの欠測範囲が広範囲に存在する場合には,局所的な異常値が生じないよう既知点の配置状況に留意し,3次スプライン補間を実施することが望ましい.また,推定地形データを用いて水理解析モデルを構築し,令和元年台風第19号の降雨により生じた洪水を対象に計算を行い,三次元点群データの欠測範囲や補間方法が計算水位に与える影響を分析した.Q2Dモデルでは,流下能力評価に使用できるモデルを物理的に妥当な範囲のパラメータ調整で構築するために充たすべき三次元点群データの河道内欠測割合は6.0%未満であると評価した.2Dモデルでは,三次元点群データの欠測範囲や補間方法が計算水位に与える影響がQ2Dモデルのそれと比較して小さいことを確認した.