2025 年 31 巻 p. 337-342
気候変動・流域治水を踏まえた河川整備計画の検討においては,1つの降雨波形だけでなく,短期集中的な降雨や局所集中的な降雨など多様な降雨の時空間分布パターンを考慮する必要があるが,降雨のハイエトグラフや空間パターン図を別々に目視するだけでは,時間と空間を統合した状態での降雨の集中等の特徴把握が難しい.本研究では,九頭竜川水系を対象に,自己組織化マップによる降雨の時空間分布のクラスター分析を行うとともに,ジニ係数を応用した降雨の時空間分布の時間的・空間的な集中度を算出することで,降雨の時空間分布パターンの特徴を数値化する手法を検討した.その結果,2°C上昇実験において,九頭竜川水系で年最大の流域平均雨量をもたらす降雨イベントは4つのクラスターに分類され,最も出現頻度が高いのはクラスター2(後半型,九頭竜川上・中流域型)であることが分かった.また,時空間集中度(時間集中度と空間集中度の幾何平均)が0.4に近いS36.9洪水,S40.9洪水, S50.8洪水型の降雨時空間分布は,計画規模降雨でのダムなしピーク流量(中角地点)が大きい傾向が見られた.