2025 年 31 巻 p. 373-378
本研究は,洪水予報河川における水位予測の高精度化を目的に,データ同化技術と近年流水管理への導入が始まっているAIを組み合わせた新たな同化手法の適用性や精度向上効果について,大野川水系を代表河川として試行的に検討・評価したものである.具体には,予測降雨を用いず,観測値のみから地点の短時間水位予測が可能なRNNモデル(AI)を構築し,RNN将来予測値を粒子フィルタによる水位同化に活用する手法を検討した.この結果,RNN将来予測値の同化により,洪水予報区間の予測先行時間や縦断水位にまで精度向上に好影響を及ぼすことを明らかにし,避難時間の確保や縦断的な予測情報の確実な提供に資する成果が得られた.