2025 年 31 巻 p. 367-372
2024年1月1日に発生した能登半島地震に続いて9月21日に発生した豪雨により,奥能登では複数河川で 洪水氾濫が生じた.本豪雨災害では,地震と豪雨が相次いで発生した複合災害により大量の土砂・植生の流出,地盤変状による洪水氾濫被害の拡大が生じたものと考えられている.本研究は,本豪雨イベントの洪水氾濫被害の拡大要因の解明に向けて,複数河川を対象に降雨流出・洪水氾濫解析を行ったものである.各サブ流域のピーク流出高の分布などを把握するとともに,若山川,竹中川,折戸川で洪水氾濫解析を行い,現地調査より得られた浸水深と比較することが出来た.若山川では護岸の侵食が洪水氾濫の拡大に影響した可能性があることを示すことが出来た.また,町野川では下流河道部の地盤の隆起よりは,支川の寺池川,鈴屋川の豪雨時の土砂の流入の影響のほうが大きいことを示した.しかしながらこれらは災害速報の側面を持つ結果であり,今後更なるモデル・データのチューニングや検証が必要な点は注意されたい.