2025 年 31 巻 p. 403-408
河川工事では出水時に重機や建設資材を退避させる場合,12~24時間程度先の出水の有無を把握する必要がある.著者らは過去および将来の降雨分布を入力情報としてニューラルネットワークにより24時間先の水位を予測する手法の検討を進めている.既報では本手法の出水予測の精度評価を目的に,過去,将来ともに過去の降雨分布である気象庁の解析雨量を用いた.一方本手法を実河川工事に適用する場合,将来の降雨分布には予報値を用いるため,本研究では気象庁のMSM予報値を用いた場合の精度を確認した.全国56地点を対象に,全出水に対する出水の予測割合(正答率)を算出した.その結果,集水面積が1,000km2以上では,過去,将来ともに解析雨量の場合は正答率が概ね75%以上に対し,将来にMSM予報値を用いた場合は概ね65%以上であった.また,1,000km2未満では1,000km2以上と比較して正答率が低下したが,MSM予報値の予報誤差を小さくできれば正答率が高くなることを確認した.