2025 年 31 巻 p. 439-444
都市郊外地域を流れる内水河川の菊川水系黒沢川流域において,豪雨事象下で生じた浸水被害を軽減すべく,内外水一体型流出・氾濫解析モデルAFREL / X-Okabeを用いて,氾濫域のオフサイト式貯留施設について数値的に検討した.異なる確率規模を有する2019年10月(1/180)と1998年9月(1/29)の2つの豪雨を対象に,貯留施設の地理的配置と貯留量といった2種の検討スキームにより,浸水低減効果を系統的に試算した.その結果,浸水被害を軽減するには,流出・氾濫ポテンシャルの大きな河川に沿った上流側で集中貯留させるのが効果的など,オフサイト式貯留施設の配備に資する知見を抽出できた.さらに,解析領域内の総湛水量も含めて可視化することにより,流域治水を戦略的に進める糸口を見出すことができた.