2025 年 31 巻 p. 487-492
近年,流域治水への転換が進められており,霞堤や水田等の氾濫原の土地を活用した治水対策が求められている.本研究では,小河川に残存する霞堤及び遊水地としての耕作放棄水田に着目し,兵庫県豊岡市田結川をモデル河川とし,洪水流の変化及びピーク流量低減率と河床勾配や霞堤開口部付近の堤防切り下げ,耕作放棄水田内の粗度係数,畦の増設との関係性について検討を行った.その結果,河床勾配が比較的大きく,かつ短い河川区間であっても,霞堤及び遊水地としての耕作放棄水田を活用したピーク流量低減が可能であることが示された.一方,堤防の切り下げや耕作放棄水田内の粗度,畦の増設等の河川・放棄水田管理に対するピーク流量低減効果には相互作用が見られ,河床勾配によっても異なっていた.