2025 年 31 巻 p. 493-498
本稿では人口や資産が集中し我が国の社会経済的に極めて重要な流域である利根川流域を対象に,既往研究を整理し,その動向を評価した.1944~2023年に発行された6つの論文集(土木学会論文集,水工学論文集,水利科学,河川技術論文集,水文・水資源学会誌,農業土木学会誌)を分析対象に,題目,キーワード,抄録のいずれかに”利根川”,”渡良瀬川”,”鬼怒川”,”小貝川”,”江戸川”を含む合計 281本を解析対象論文とした.解析対象論文を分野別,地域別に整理し,時系列ごと,対象流域ごとに分析した結果,研究対象の内訳は利根川54 %,渡良瀬川7 %,鬼怒川19 %,小貝川5 %,江戸川8 %,その他 7 %となり,利根川本川の論文が多数を占める一方,支川に関する論文は非常に少ないことが示された.また,これらの分析を通じて,研究が不足している河川流域や論文テーマを浮き立たせることができた.