2025 年 31 巻 p. 547-552
河川における鉛直流速分布の正確な把握は,構造物設計や流量推定,流況解析において極めて重要である.特にVelocity dip現象は,水面下に最大流速が存在する非一様な流速構造として知られ,その再現性は流況評価の精度に直結する.これまでに,対数則を用いた数値モデルなど,Velocity dipの再現を目的とした研究が進められてきたが,その再現性は依然として十分とは言い難い.本研究では,Velocity dipを表現可能な新たな鉛直流速分布モデルとして,三角関数を用いたモデルを提案し,ADCP観測データおよび電波式流速計観測データを用いてその再現性を評価した.その結果,本提案モデルはVelocity dipを安定して再現可能であり,特にADCPデータに対して高い相関係数を示すなど,良好な再現性を有していることが確認された.