2026 年 32 巻 p. 169-174
本研究では,合流式下水道が整備された妙正寺川におけるCSOの発生状況およびCSO流出特性を明らかにすることを目的とし,現地観測および解析を行った.タイムラプスカメラを用いて雨水吐口からのCSO流出状況を観測し,降雨特性とCSO流出量の関係を分析した結果,CSO発生および流出量の時間変動は,短時間積算雨量により一定程度説明できる可能性が示された.特に30分程度の積算時間が最も高い相関を示し,流域内の貯留および流下遅れの影響を反映していると考えられる.また,観測データに基づきCSO発生閾値を算出し,設計条件から求めた閾値と比較した結果,両者は概ね一致した.このことから,詳細な設計条件が得られない場合にも,降雨観測データから近似的に推定できる可能性が示された.さらに,二段タンクモデルを構築し,CSO流出の再現計算を行った結果,流出発生時刻およびピーク時刻について一定の再現性を確認した.本研究の結果は,限られたデータ環境下におけるCSO流出評価および下水道計画への応用に基礎的知見を提供するものである.