2026 年 32 巻 p. 163-168
静岡県の麻機遊水地第3工区では,特定外来生物ナガエツルノゲイトウの繁茂が確認されており,生態系への影響に加えて排水性低下による治水上のリスクが懸念されている.そのため,本種の駆除を検討する必要があるが,当該地は沼地が多く,地上からの踏査による生育状況の把握は困難である.本研究では,UAVを用いて本種の生育場所を空中から特定するとともに,これまで定量化されてこなかった成長量を把握することを目的とした.GNSS搭載UAVにより撮影した画像を解析した結果,第3工区には本種の生育地が14か所存在することが判明し,調査時間は8 min/haと効率的であった.また背丈の高い植生の存在地点や沼地でも本種を確認でき,本手法の有効性が示された.さらに定期撮影による比較から,本種が生育する面積は5月から6月にかけては1.3倍,5月から9月にかけては2.7倍増加し,冬期には成長が減退することが確認された.これらの結果は,駆除量と成長量の関係を踏まえた抑制計画の策定に有用な指標となる.