2026 年 32 巻 p. 187-192
計算負荷が高く,計算に時間を要する詳細な流況計算に対して,平均成分加速法により計算時間の短縮の可能性が示されている.本研究では,平均成分加速法( ACA 法)を河道計画や河道設計,災害復旧等の実務で活用するための基礎的知見を得ることを目的に,加速係数の違いが水位や流速の解析結果に与える影響を詳細把握し,その傾向を分析した.具体的には,実河川に適用し,計算時間の短縮に寄与する計算条件,加速係数に応じた計算水位や流速分布の誤差傾向を調べた.
流量,断面平均水深,断面平均流速等の縦断分布を分析した結果,各水理量各断面で誤差率は異なり,加速なし計算と加速ありの 100 倍計算で水深や流速は最大 20 % 程度の乖離が生じた.検討目的に応じた解析必要精度を十分吟味した上で採用する加速係数を決定する必要があり,現時点では,粗度係数調整で設定した加速係数を汎用的に使うには注意が必要であることを把握した.