2026 年 32 巻 p. 181-186
有限体積法によって双曲型偏微分方程式を解く際に,非物理的な振動を抑制する高次精度再構成法としてWENO法やMP法などが広く用いられているが計算コストが課題となっている.近年,これらに代わる手法として圧縮性オイラー方程式に対して圧力項へ流速勾配の値に応じて正則化項を加えるIGR(Information Geometric Regularization)が提案されている.しかし,双曲型偏微分方程式である浅水流方程式にIGRを適用して評価した例は見当たらない.本研究では,IGRを考慮した浅水流方程式を有限体積法により解き,1次元と2次元のベンチマーク流れに対して,WENO法等との比較を行った.その結果,膨張波付近で非物理的な負の流速に伴う水深の増大が見られたものの,衝撃波様の段波面等では,WENO法等より低計算コストで,水面のシャープさを保ちながら数値振動を抑制できることが示唆された.