2026 年 32 巻 p. 301-306
本研究は,洪水期間を事前に設定しない条件下において,アンサンブル降雨予測とd4PDFを統合的に活用した流量波形マッチング手法を提案するものである.まず,降雨データを分布型流出モデルおよび機械学習により流量へ変換し,72時間累積流量最大区間を用いて洪水期間を定義した.次に,流量波形の主成分分析およびクラスタリングにより洪水波形の特徴を整理し,ピークシフトを導入した波形比較手法を構築した.さらに,洪水規模指標としてNRS放流量を提案し,既存指標との比較を行った.その結果,ピーク時刻・規模・波形の各要素を統合的に評価することで,洪水挙動の再現および予測が可能であることを示した.本手法は,実時間における洪水予測およびダム操作判断への適用可能性を有する.