河川技術論文集
Online ISSN : 2436-6714
AI強化学習によるアンサンブル予測を用いたハイブリッドダム運用に関する研究
三浦 心, 佐藤 康晴, 石川 こより
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2026 年 32 巻 p. 307-312

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抄録

本研究は,ダムの治水・利水機能の強化を目指し,AI(強化学習)を活用したハイブリッドダム運用の操作支援手法を開発したものである.これまでアンサンブル降雨予測情報の取り扱いの難しさのためにダム運用への導入に課題があった.そこで本研究では,気象庁の週間アンサンブル予測から得られる5日先までの予測流入量を入力とし,強化学習(DQN)により最適な「目標水位」を提案するモデルを構築した.洪水が予測された場合は治水を優先して水位を下げ,平常時は利水を優先して水位を高く保つよう学習させている.

草木ダムでの検証の結果,平常時や中小出水では目標水位を高く提案し貯留水を発電に活用する一方,大洪水においては5日前からの事前放流により異常洪水時防災操作の回避に成功した.全期間の検証では,発電に寄与しない放流を19%から11%へ低減し,年平均12%の増電効果を得るなど,治水・利水両面での機能向上が示された.本モデルは構築が容易で汎用性も高く,様々なダムへの展開が期待される.

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