2026 年 32 巻 p. 325-330
これまでに河川堤防に関する多くの研究が行われ,学会・シンポジウムで多数の論文が発表されてきた.これまでの河川堤防に関する研究動向を把握し,今後の研究展望に資することを目的として,2000年以降の河川堤防に関する論文の収集・分析を行った.分析では,自然言語処理技術の発展により注目されているテキストマイニングを活用した.本稿では,論文キーワードや論文タイトルを用いたワードクラウド,共起ネットワークによる分析を行い,河川堤防の被災状況や河川堤防に関する国の取り組みなどの社会的動向との比較を行った.この結果,河川堤防に関する研究動向は,堤防の被災に応じて変化してきたこと,国による技術公募により促進される傾向があることが確認された.さらに,光ファイバや粘り強い河川堤防に関する研究開発の事例から,要素技術の発展や他分野の知見を取り込みつつ,長期的研究と短期的研究を両輪で進めること,産学官連携による研究開発エコシステムの構築が重要であることを考察した.