2026 年 32 巻 p. 331-336
河道整備の計画規模を上回る超過洪水が発生することで,河川堤防が越流破堤し,氾濫原に甚大な被害を引き起こす事例が生じている.そのため,堤防越流破堤を実用的かつ高精度に予測可能なモデルの構築が重要となる.本研究では,簡易的に流砂形態割合を考慮した堤防越流侵食解析モデルの開発を行い,小型の砂質堤体模型実験と大型の粘土混合堤体模型実験へ適用し,本モデルの妥当性検証を行った.小型模型実験への適用より,流砂形態割合を考慮した本モデルは,平衡掃流砂モデル,非平衡掃流砂モデル,および浮遊砂浮上量式による浮遊砂を考慮した非平衡掃流砂モデルに比べて,侵食形状や侵食過程を良好に再現できることが分かった.また,大型模型実験への適用より,堤体規模に依らず,本モデルは全体的な侵食過程を概ね良好に再現できることが分かった.そのため,本モデルは実規模の堤防侵食予測に対しても有効な手法となる可能性が示唆された.