河川技術論文集
Online ISSN : 2436-6714
柔構造透過性シェルネット型表面被覆工の堤体侵食抑制効果に関する実験的研究
関谷 勇太, 小林 薫, 松元 和伸, 辻 勲平, 武田 茂樹, 孫 冉
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2026 年 32 巻 p. 349-354

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抄録

豪雨災害の激甚化・頻発化に伴い,越水しても破堤までの時間を少しでも長くする「粘り強い河川堤防」が求められている.国土交通省は,その技術開発目標として,越流水深0.3 m,越流時間3時間を提示している.一方で,防災と環境を両立した建設技術の開発も求められている.本研究では,ホタテ貝殻の利活用に着目し,破砕貝殻を充填したシェルネット型表面被覆工を用いた河川堤防構造を提案した.堤防全体の安定性を全高0.50 m規模の模型堤防を用いた越水実験により明らかにした.その結果,地盤の相似則を考慮すれば,越流水深0.30 m (実測値0.06 m),越流時間10時間(実測値3時間)に対して,堤体の著しい侵食や変形およびパイピングの発生は確認されなかった.従って,シェルネット型表面被覆工は「粘り強い河川堤防」としての性能を発揮する可能性が示唆された.また,透過性を有するシェルネット内部の浸透流速は表面流速と比較して大きく低減され,堤体等に作用するせん断力が低下することも示唆された.

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