2026 年 32 巻 p. 343-348
本報告では,河川堤防の浸透による被災事例8例を対象に,被災の素因・誘因となる「場の特徴」を抽出し,弱点箇所抽出への適用可能性を検討した.その結果,旧河道,地下水が集まりやすい地形,旧堤防の存在が共通する地形条件として整理された.また,地盤構造に着目すると,透水層の有無に加え,透水層が途中で途切れる行き止まり地盤が,地下水の水頭上昇や浸透集中を引き起こし,大規模な漏水・噴砂の発生につながることが確認された.これらの把握には治水地形分類図(初版・更新版)の併用や高精度DEMによる微地形解析が有効である.さらに,地形条件に漏水履歴を加味することで調査箇所の絞り込みが可能となり,効率的な地盤調査の実施に資することを示した.