河川技術論文集
Online ISSN : 2436-6714
地形変化・生息場・生物の関係性に着目したアユを指標とする河川環境評価手法の提案
兵藤 誠, 伊東 茶宥, 中平 歩, 村山 泰明, 養田 勝則
著者情報
ジャーナル フリー

2026 年 32 巻 p. 37-42

詳細
抄録

近年,河川環境評価においては定量的手法の整備が進んでいるが,多くは生息場の状態把握を中心とした評価であり,洪水や土砂移動に伴う地形変化と生息場および生物応答の関係性については,必ずしも十分に整理されていない.本研究では,猪名川・藻川直轄管理区間を対象として,簡易魚道のモニタリング結果を活用し,アユを指標として地形変化・生息場・生物応答の関係性を統合的に評価する手法を検討した.遡上・蝟集調査,耳石分析,生息状況調査および地形変化の整理結果を統合し,生物応答(アユ個体数)と生息場条件(早瀬・淵の分布割合)に基づく評価マトリクスを構築した.その結果,魚道機能と生息場条件という異なる要因がアユの生息分布に影響を及ぼしていることが示唆され,両者を適切に評価することの重要性が示された.さらに,地形変化に伴う生息場構造の形成が生物応答に影響を及ぼすことを確認し,河川環境評価においては地形変化を考慮した統合的評価の必要性と有効性を示した.

著者関連情報
© 2026 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top