2026 年 32 巻 p. 373-378
令和3年7月豪雨では,狩野川支流黄瀬川に架かる黄瀬川大橋が洗掘によって沈下した.本報文は,当該橋梁被災時の洪水を対象として,躯体部と基礎部の断面諸元が異なる橋脚模型に対する洗掘対策工の水理模型実験から,小規模河床波を伴う洪水におけるブロック工の洗掘抑制効果と挙動の分析を行ったものである.洗掘対策工に関する既往研究では,鉛直方向に一様な断面の橋脚模型が用いられてきた.しかし,実際の橋脚は躯体部と基礎部で断面諸元が異なり,基礎部によって洗掘の進行過程が変化することが知られている.また,多くの実験が河床材料の移動を伴わない静的洗掘条件で行われているが,動的洗掘条件の場合,河床の不安定化により洗掘対策工に変状が生じることが報告されている.そこで本報文では対策工としてブロック工に着目し,断面諸元が異なる橋脚で小規模河床波を伴う洪水を外力とした水理模型実験を実施した.実験結果から,ブロック工を敷設することで基礎部天端の洗掘深安定期で洗掘を抑制できたこと,小規模河床波による河床の不安定化がブロック工の変状の要因の1つと考えられることを示した.