2026 年 32 巻 p. 379-384
気候変動に伴う水害の激甚化を背景として,既存遊水地の洪水調節能力の増強が求められている.一方で,河川機械設備の大更新時代の到来や担い手不足が社会課題となっており,維持管理の手間を極力排除した施設の整備が重要となっている.これらを踏まえ,筆者らは無動力自動開閉ゲートを活用した既存越流堤の可動堰化技術の開発を進めている.本技術は,ゲート中間位置に回転ヒンジを設け,水位上昇により自動的かつ無動力で倒伏する回転機構と,翼型形状を採用することで越流流れ及びゲート本体の安定性を高めた構造を特徴とする.本報告は,開発の中で実施した水理模型実験において確認された特徴的な水面振動について考察したものである.数値流体解析により現象を再現し,水面振動を有する流れによるゲート本体及び回転機構への構造的影響を明らかにした.