2026 年 32 巻 p. 385-390
橋脚における流木捕捉を緩和する方策として,我が国では古くから橋脚の上流部に木除杭を設ける試みが一部の橋梁においてなされてきた(例,渡月橋).しかし,木除杭の設計指針は確立しておらず,効率的な木除杭の設置方法に関する研究が必要といえる.本研究は,木除杭の配置方法の相違による流木捕捉特性について,実験を通じて基礎的な検討を実施した.実験では実河川のおよそ1/200スケール模型を用い,千鳥配置(Type A),橋脚一つ置き配置(Type B),木除杭なし(Pier only)の3条件を比較した.投入流木密度(1本・10本・50本)を変化させた結果,Type AはPier onlyに比べ最大61.3%の捕捉率低減効果が確認された.観察された木除杭の効果として,流木を流れと平行な向きに回転させる「流木回転効果」と,絡み合った流木塊を分解する「流木群分離効果」の2つが挙げられる.一方,大規模閉塞のプロセスとして,累積閉塞型と突発閉塞型の2形態が観察された.