2026 年 32 巻 p. 391-396
六角川中下流部は,低平地河川であり高水敷に繁茂したヨシが洪水流の大きな抵抗となるため,洪水水位が計画高水位を越え易く,排水ポンプの内水排除効果は大きいものの限定的である.このため,高水敷に湛水池群を設置することで,ヨシの繁茂を抑制し洪水水位を下げる対策が実施されている.湛水池群は,高水敷の抵抗を減じ高水敷と低水路の流量配分を変化させることで,河道全体の流下能力の向上に寄与するとともに,新たに創出されたワンド環境が水生生物のハビタットとして機能している.本稿では,既報で示した湛水池群の洪水水位低下効果を活用し,流域としての治水機能を高めるための新たな対策の考え方と,区間毎の湛水池群の特徴を踏まえた効果的な配置・構造について総合的に検討した.これにより,湛水池群の治水・環境機能,それらを高めるための配置・構造が明らかとなってきたことで,六角川河道の治水と環境の調和に向けた環境目標の議論が可能になると考えられる.