2026 年 32 巻 p. 463-468
気候変動等により降雨特性の変化に伴う土砂災害の拡大が懸念される.本研究では,住民一人一人にそ の時,その場所での土砂災害の危険性を直接通知する土砂災害危険情報サービスの土砂災害危険度を用い て,降雨強度の変化が土砂災害発生危険度の変化に与える影響について検討する.検討対象の土砂災害は,災害規模が比較的大きな広島の平成 26 年 8 月豪雨,平成 27 年 9 月関東・東北豪雨,平成 28 年 6 月熊本豪雨,平成 29 年 7 月九州北部豪雨であり,降雨強度を 0.8 倍,1.2 倍,1.4 倍にした土砂災害の危険度を算定し,実際の降雨(1.0 倍)と比較した.その結果,土砂災害の危険度の変化が,降雨波形に影響されるとともに,発生範囲に人口密集地を含むと降雨強度の増大以上に被害が拡大する可能性があることを確認した.
また,降雨強度を増大させた場合の土砂災害発生時の土砂災害雨量指数に達するタイミングを検証することで,避難行動時間を考える上で重要となるリードタイムが減少することを確認した.