2026 年 32 巻 p. 469-474
本研究は,日本における土砂流出発生確率マップ(PSM)を構築するため,まずは森林領域における土砂流出に関連する素因・誘因を網羅した因子全ての変数重要度を把握した.その上で,ランダムフォレスト(RF)モデルの構築・予測により,過去70年程度の国内の土砂流出実績に基づき,将来に渡って変化する可能性の高い降雨や気温,植生状況などの因子が土砂流出の発生確率にどの程度影響を及ぼすのかを定量的に明らかにした.RFモデルを構築したところ,学習用80%・検証用20%のケースの予測精度(RMSE= 0.0781, MAE= 0.0546, R2= 0.54)が最も高かった.実績に基づく土砂流出発生確率とモデルの予測値の関係を調べたところ,0.5付近までは実績値を再現できていた一方で,1メッシュ内に複数の土砂流出があった場所(極端に発生確率が高いメッシュ)の予測が難しいことが明らかになった.説明変数の重要度積算値(Σ Importance)を大別すると,気候(31.5),地形(18.8),地質(5.5),土地利用・植生(2.1)の順に高かった.