2020 年 1 巻 1 号 p. 119-128
本論文は、都道府県教育委員会作成の防災教育冊子に掲載されている、防災教育展開例を収集し、分析することで、今現在の小学校で、どのような教育活動で、どのような内容の防災教育が行われているのかを把握し、その特徴を明らかにすることを目的とする。各都道府県教育委員会が作成した防災教育展開例を分析したところ、防災教育展開例として、①その地域独自の防災教育展開例、②各教科等と関連させた防災教育展開例、③避難訓を想定した防災教育展開例の3 つに分類できることが分かった。また、小学校で防災教育に関連した展開例を作成するには、学級活動、社会科、理科、生活科、総合的な学習の時間が主な対象教育活動となることが分かった。さらに、各教科等での防災教育を学ぶ内容の違いが明らかとなり、学級活動が震災対応そのものを学ぶ教育活動であることが明らかになった。