日本では、社会的損失の大きな気象災害が頻発しており、気象庁も特別警報の運用を開始するなど防災情報の充実が図られてきた。しかし、より技術的で専門的な気象情報は、情報の受け手側である国民には必ずしも理解されていない現状がある。そこで本研究では、生徒たちが災害を「我がこと」として考えられるようになることを目指した「地域気象情報」を軸とした防災教育に関するアクション・リサーチを実施した。「地域気象情報」とは、気象情報をより地域性の高い、身近な表現を利用した情報に変換し、人々の生活と密接した情報とする考え方である。取り組みを通じて、災害と自分たちの生活を結びつけるようになり、「我がこと」として主体的に学ぶ姿や、そのような記述がみられるようになった。