農村生活研究
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現地報告
「学校給食への地場食材供給」に対する祖父母世代の意識に関する一考察―「燦餐(さんさん)の会」(岐阜県:食育の会)を対象として―
山田 浩子
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2022 年 65 巻 1 号 p. 26-33

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抄録

祖父母世代に対する「学校給食への地場食材供給」に関する意識調査は,地場食材を供給する生産者組織の会員以外は,ほとんど実施されていない。そこで本研究では「学校給食への地場食材供給」に対する祖父母世代の意識を明らかにすることを目的とした。研究対象は,岐阜県の食育の会「燦餐の会」である。研究方法はアンケート調査と収集資料の分析による。その結果,「燦餐の会」の「学校給食への地場食材供給」勉強会参加者(約70名)は,岐阜市内に居住している女性が多く,60~80才代の祖父母世代が中心となっていた。参加者は「学校給食への地場食材供給」について「良いこと」で「食育効果がある」「拡大した方がよい」と,とても好意的な意識を持っていると回答した割合は,60.9%から84.0%と非常に高い割合になっていることが明らかとなった。約2時間の勉強会終了後は「学校給食への地場食材供給」について,好意的な意識をもっていると回答する割合がさらに上昇していた。同様の勉強会を開催することは「学校給食への地場食材供給」に対する好意的な意識を高め,理解を深めてもらうのに有効であると推察される。本論文は限られた事例からの知見であるが「学校給食への地場食材供給」に対する意識について,さらなる検討が必要であることを示唆するものである。

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© 2022 日本農村生活学会
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