教育経済学研究
Online ISSN : 2436-1801
Print ISSN : 2436-1798
乳幼児教育における評価指標の現状と課題
―発達評価と環境評価の観点に基づいた分析を中心にー
太田 麻美子 三輪 正太郎小原 愛子岡田 直美
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キーワード: 乳幼児教育, 尺度, 評価, 保育
ジャーナル オープンアクセス

2022 年 2 巻 p. 27-41

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抄録
近年、乳幼児教育における評価が重要視されるようになってきている。教育における評価は、「遂行性」や「結果の管理の手段」となるだけでなく、保育・幼児教育現場の透明性を高める手段ともなるとされており、教育の質が保証されるために必要なものとなっている。諸外国においては、様々な尺度が使用されているが、誰が評価を行うのか、尺度がどのような領域をもっているのか、何を評価するかについては明確になっていない。そこで、本研究では、世界的に使用されている乳幼児教育に関連する尺度を乳幼児期の発達及び環境の観点から整理することで、日本の乳幼児教育における評価方法についての課題を検討し、今後の展望について考察することを目的とした。乳幼児期の発達に関する尺度は11件、乳幼児教育環境に関する尺度は16件、両方の観点を併せ持つ尺度は8件抽出された。知能や発達検査等の専門性を必要とする尺度が使用されることが多かったが、日々成長する子どもを見るためにも、これらの尺度から必要な要素を取り出し、保育士等が日常的に使える尺度の必要性が課題として挙がった。また、乳幼児教育の環境構成については、文化の違いも反映されるため、諸外国で開発された尺度をそのまま日本に適応させることは難しく、日本の文化等を考慮した上で評価することの必要性が明らかになった。
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© 2022 公⽴⼤学法⼈下関市立大学
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