教育経済学研究
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最新号
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  • 三輪 正太郎, 金城 紅杏, 太田 麻美子
    2024 年 5 巻 p. 1-22
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/02/29
    ジャーナル オープンアクセス
    現在、金融教育の実践をまとめた論文はほとんどみられないことから、本研究は「年齢層別の金融教育の内容」が公表された 2007 年以降の論文に着目し、金融教育の実践をレビューすることで、日本における金融教育の実践に関する現状と課題を明らかにすることを目的とした。Google Scholar、J-stage、CiNii を用いて実践論文を抽出した結果、小学生、中学生、高校生を対象として実践が行われている 39 本の論文、46 個の実践が抽出された。また、金融リテラシーマップとの関連についても検討したところ、「家計管理」、「生活設計」、「資産形成商品」、「外部の知見の適切な活用」、「保険商品」との関連がみられた。これらの実践の中には、体験しながら学べる実践が多くみられた。ただし、今後の課題として、分析がされている論文が少なかったことと、特別支援教育を対象とした実践論文が少ないことが課題として挙げられる。
  • 金城 紅杏, 趙 彩尹
    2024 年 5 巻 p. 23-38
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/02/29
    ジャーナル オープンアクセス
    2018 年の改定から、幼稚園教育要領 3)、保育所保育指針 4)、幼保連携型認定子ども園教育・保育要領 5)の3つの指針において年齢ごとに合わせた触覚・味覚・嗅覚の発達に関する活動内容を示していることから、乳幼児期における触覚・味覚・嗅覚の発達を促すことは必要不可欠である。しかし、現場では3歳以上児に対する実践が多くなっており、低年齢における保育実践はほとんど見当たらない。さらに、いずれの年齢においても、触覚・味覚・嗅覚の概念形成を促す活動の数も少ないことが現状である。 そこで、本研究では、触覚・味覚・嗅覚を育てる保育実践を含む論文を、「年齢」、「保育実践のねらい」、「触覚・味覚・嗅覚を形成する実践の内容」、「触覚・味覚・嗅覚を形成する保育者の援助」、「触覚・味覚・嗅覚の形成が見られる子どもの様子」の観点に分けて分析することによって、触覚・味覚・嗅覚を育てる保育実践の現状を検討、課題を考察することを目的とする。 対象となった 28 件の実践のうち、触覚・味覚・嗅覚に関するねらいが設定されている実践が 4 件、触覚の概念形成が見られる保育実践が 19 件(味覚・嗅覚の実践と重複あり)、味覚の概念形成が見られる保育実践が 4 件(触覚・嗅覚の実践と重複あり)、嗅覚の概念形成が見られる保育実践が 4 件(触覚・味覚の実践と重複あり)となった。 分析の結果、日本の乳幼児教育における触覚・味覚・嗅覚を育てる保育実践においては、実践に対する明確なねらいを設定し実施した事例が少ないことをはじめ、触覚・味覚・嗅覚の発達のために必要な大人の関わりを明確する必要性と各年齢(0-2 歳の未満児~5 歳の年長児)に合わせ、段階的に保育及び実践を行う必要があることが課題として明らかとなった。これらの課題を解決に導くためには、保育現場の労働環境を見直すとことに加え、保育士の専門性を高めるための研修及び保育活動を助ける専門的なプログラムを考案することが必要であろう。今後は、触覚・嗅覚・味覚を含めた体感概念 8)の定義を用いて触覚・味覚・嗅覚の概念形成に関する研究を深めること、さらに、乳幼児期の発達及び教育に活用されている CRAYONBOOK の【体感概念】の領域を用いてさらなる研究を行う必要があるだろう。
  • 日下 まりあ, 小原 愛子
    2024 年 5 巻 p. 39-53
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/02/29
    ジャーナル オープンアクセス
    大学で近年盛んに取り入れられている教育手法の PBL(「課題解決型学習」「プロジェクト型学習」等と呼ばれるアクティブラーニング手法の一つ)は、グループワークなどの活動の中で、学生の主体的な学びを促進し、問題解決能力、創造力、コミュニケーションとコラボレーションなどの能力を育むとされ、行政や企業など大学内にとどまらず地域と連携して行う授業形態として多く存在する。しかし、PBL 科目の学生の成績評価は、教育効果の量的把握が必ずしも十分ではないことが指摘されている。そこで、本研究では、学生の成長と地域連携の実践効果を総合的に評価する際に、地域との関係性構築により醸成される「ソーシャルキャピタル」の観点が有効なのではないかと仮説を立て、大学の地域連携における PBL の効果を評価するための指標の構成概念を検討することを目的とした。既存のソーシャルキャピタル尺度と大学の地域連携におけるPBL実践事例、また PBLでの到達目標に多く含まれる社会人基礎力を基に分析を行った結果、指標は授業の主体者となる大学生が評価することを前提に、4 つの領域「チームワーク」「信頼」 「ネットワーク」「地域への興味関心」を設定し、それぞれの領域の定義を行った。今後の指標開発にあたっては、これらの4領域を基に項目内容と回答方法の精査が必要であろう。
  • -マーケティング企業調査の結果に基づいて-
    和田 安加里, 金 珉智
    2024 年 5 巻 p. 54-69
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/02/29
    ジャーナル オープンアクセス
    10 代から 20 代に当てはまる Z 世代は、ファッションや美容などの自身の身だしなみに対して興味関心が高く、消費も積極的であることが報告されている。本研究では、Z 世代のファッションにおける消費行動の特徴を明らかにすることを目的とした。調査対象は、ジャストリサーチ株式会社が 2019 年 4 月 18 日から 30 日にかけて行った WEB 調査から、Z 世代の年代である 1995 年から 2010 年生まれの世代に該当している 174 名である。その中から「ファッション・美容」を趣味に選んでないグループ(n=137)、「ファッション・美容」を趣味に選んだグループ(n=37)の 2 群に分け、両群間におけるファッションに関して(全 12 項目)と消費行動に関して(全 12 項目)の関連性を Pearson のカイ二乗検定にて分析した。その結果、Z 世代は新商品、限定品、新体験など付加価値のあるものには積極的に消費し、衣類が安価なタイミングで購入しようとする傾向がみられた。ファッションと美容を趣味に選んでいない Z 世代は、限定品・特別コラボ・1 点ものを消費する際、その商品についての情報はデジタルデバイスを介して発信、閲覧するとする傾向がみられた。一方、ファッションと美容を趣味に選んでいるグループは、世間の流行や自分の好みをリサーチしている傾向があり、古着に対して抵抗感はなく、より安価なものを求める可能性が示唆された。
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