教育経済学研究
Online ISSN : 2436-1801
Print ISSN : 2436-1798
高等教育に対して補完的なリカレント教育における 大学の履修証明プログラムの受講形態に関する特徴分析
砂原 雅夫
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ジャーナル オープンアクセス

2023 年 3 巻 p. 27-40

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抄録
日本の少子高齢化が進む中で労働力の減少を補う労働生産性の向上を図り、経済成長を維持していくには人的資本の増加に結びつくと考えられるリカレント教育の強化が必要である。本研究では、高等教育に対して補完的なリカレント教育の一つである大学の履修証明プログラムの受講形態の特徴を分析し、職業を持っている社会人のニーズにあわせた受講形態を考察することを目的とした。高等教育に対して補完的な履修証明プログラムの受講形態の項目について量的変数、質的変数で分類し、各変数の間に相関係数を求めた。その結果、日本の国公私立大学における高 等教育に対して補完的リカレント教育である履修証明プログラムは受講対象者を高等教育の蓄積をもつ者へ限定していることが示された。また、大学の人材、資金、施設の独自性を発揮し、平日に開講するケースが多かったことが示された。これは、開講する側いわゆる大学側のプログラム提供体制が重視され、大学資源の活用と学外の講師人材、企業現場の協力が得やすい平日の開講が多くなっていると考えられる。今後は、補完的リカレント教育の受講の成果を客観的に測定することで補完的リカレント教育の効果を明らかにするさらなる研究が必要となる。
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© 2023 公⽴⼤学法⼈下関市立大学
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