IN-Child(Inclusive Needs Child)とは、「発達の遅れ、知的な遅れまたはそれらによらない身体面、情緒面のニーズ、家庭環境などを要因として、専門家を含めたチームによる包括的教育を必要とする子」と定義され(韓・太田・權,2016)、包括的教育を必要とする全ての子どもを指す用語である。また、IN-Child の QOL 向上の観点から支援ニーズを検討する為のツールとして、INChild Record が開発された(韓・太田・權,2016)。本研究では、IN-Child Record を用いて、論文・学会発表における指導実践を IN-Child Recordの領域と照らし合わせて分析することで、ADHD 傾向のある IN‐Child に対して教育現場で行われている指導・支援方法を整理した。また、先行研究との比較をすることで、効果的な指導法を明らかにするとともに、ADHD 傾向のニーズのある子どもに対する指導・支援方法の課題を明らかにすることを目的とした。その結果、「不注意」傾向のある子どもは机上の上を片付けることや、本人の興味・関心を活かした学習をする等の支援が実施されており、「多動性・衝動性」傾向のある子どもは暴言や暴力をふるわないことを遊びのルールとして設定することや、授業中大きな声を出さないことをルールとして設定する等、ルールを設定する支援が多く実施されていた。
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