抄録
近年、大学教育において、入学時点で基礎学力に課題を抱える学生が一定数いることが指摘されている。その背景には、高大接続の在り方の変化や高校段階での学力水準および学習履歴の多様化など、複合的な要因が存在すると報告されている。大学での学習成立には基礎学力の補完・再構築が不可欠であり、体系的なリメディアル教育の設計が求められる。本研究は、文献的検討に基づき、大学生を対象とする英語および数学を中心とするリメディアル教育シラバスモデルを理論的に開発・提案することを目的とした。2008年以降の実践論文(英語22件、数学7件)をGoogle Scholarで「リメディアル教育」「大学生」「補習」「実践」の4つのキーワードにより検索を行い、選定基準に基づいて対象文献を確定した。それらを基に提案したリメディアル教育のシラバスモデルは、学習進捗の記録と期末試験等の結果を統合して学習成果を検証し、授業改善と教育の質保証への応用可能性を示した。一方、本研究はシラバスモデルの提案に主眼を置く文献研究であり、提案モデルの教育効果を実証的に検証していない点に限界がある。今後は実装研究により教育効果を多面的に検証し、到達度別支援、学内支援組織との連携、大人数運用における実施条件について検討する必要がある。